法句経 【訳と解説ノート】第11章「老品」Verse 148〜156

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◆ Verse 148

パーリ語原文:

Parijiṇṇamidaṁ rūpaṁ, roganīḷaṁ pabhaṅguraṁ;

Bhijjati pūtisandeho, maraṇantaṁ hi jīvitaṁ.

日本語訳:

この身体は老い衰え、病の巣となり、壊れやすい。

膿の溜まったもののようで、命とは死に向かうものである。


◆ Verse 149

パーリ語原文:

Yānimāni apatthānī, alābūn’eva sārade;

Kaṭṭhaṁva viya jhāyanti, puna n’uppatanti jantavo.

日本語訳:

秋の瓢箪のように萎びたこの身体──

朽ち木のように燃え尽き、

再び生まれ変わることはない者もいる。


◆ Verse 150

パーリ語原文:

Aṭṭhīnaṁ nagaraṁ kataṁ, maṁsalohitalepanaṁ;

Yattha jarā ca maccu ca, māno makkho ca ohito.

日本語訳:

骨でできたこの都市(身体)は、肉と血で塗り固められ、

そこに老いと死、慢心と驕りが住みついている。


◆ Verse 151

パーリ語原文:

Jīranti ve rājarathā sucittā,

atho sarīram’pi jaraṁ upeti;

Satañca dhammo na jaraṁ upeti,

santo have sabbhi pavedayanti.

日本語訳:

美しく飾られた王の車でさえ朽ちる。

ましてやこの身体は、老いを免れない。

しかし、賢者の語る真理は朽ちることがない。

聖者たちはそれを広く伝える。


◆ Verse 152

パーリ語原文:

Appassutāyaṁ puriso, balibaddhova jīrati;

Maṁsāni tassa vaḍḍhanti, paññā tassa na vaḍḍhati.

日本語訳:

学びの少ない人は、ただ年老いた牛のように老いていく。

肉体は成長しても、智慧は育たない。


◆ Verse 153

パーリ語原文:

Anekajātisaṁsāraṁ, sandhāvissaṁ anibbisaṁ;

Gahakāraṁ gavesanto, dukkhā jāti punappunaṁ.

日本語訳:

幾たびも生まれ変わりながら、

私は彷徨い続けてきた──

家を作る者(煩悩)を探し求めて。

繰り返される誕生は、まさに苦しみである。


◆ Verse 154(ブッダ成道の句)

パーリ語原文:

Gahakāraka diṭṭhosi, puna gehaṁ na kāhasi;

Sabbā te phāsukā bhaggā, gahakūṭaṁ visaṅkhataṁ;

Visaṅkhāragataṁ cittaṁ, taṇhānaṁ khayamajjhagā.

日本語訳:

家を作る者よ、見つけたぞ。

もうお前が家を建てることはない。

お前の柱はすべて壊れ、棟も崩れた。

心は形あるものを離れ、

欲望の終わりに至ったのだ。


◆ Verse 155

パーリ語原文:

Acaritvā brahmacariyaṁ, aladdhā yobbane dhanaṁ;

Jiṇṇakoñcāva jhāyanti, khīṇamaccheva pallale.

日本語訳:

若いときに修行せず、財を得ることもなければ、

老いた鷺のようにうなだれ、

池に魚の尽きたように沈んでいくだけだ。


◆ Verse 156

パーリ語原文:

Acaritvā brahmacariyaṁ, aladdhā yobbane dhanaṁ;

Senti cāpātikhīṇāva, purāṇāni anutthunaṁ.

日本語訳:

若いときに修行せず、財を得ることもなく、

老いて何も為せぬまま、

古びた矢を嘆くように、過去を悔いるのだ。


(第11章「老品」おわり)

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